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キツネの こんた

温泉の帰り道、前方に何か動物が見えました。「ネコかな?」、「犬かな?」といっている間にどんどん車は接近しました。
それでも微動だにせず、道の真ん中に前方を向いたままじっとしています。

それは キツネでした。橋のたもとに座り込んで じっと先を見ていたのでした。
キツネの こんた_f0161708_21234963.jpg

 
「かあちゃん おそいな~  どうしたのかな~  」

「もしかして、怪獣ブーブーに襲われたのかな?」

こんたは 心配で心配でたまりません。

言いつけを守って家で留守番をしていたのですが、母ちゃんの帰りが余り遅いので橋のたもとまで来てしまったのです。

【この橋は絶体に渡ってはダメですよ。橋の向こうには大きな道があって怖い怖い怪獣が行ったり来たりしているのですよ。
こんたの知っている熊よりもずっと恐ろしい怪獣なんですよ!】
と母ちゃんはいつも言っています。

もう こうやって30分も待っているのに まだ母ちゃんは帰ってきません。

その時 突然 まうしろで「ブーブー」と大きな音です。

こんたは振り返って 気絶するほど驚きました。

「ああ~怪獣の口に呑み込まれる!」 思わず目をつむりました。
ところが 怪獣ブーブーは動かずにゼーゼーと臭い息を吐くばかりです。

こんたは我に返り、一足飛びに横の草むらに入り、それから全速力で走り出しました。

家にたどり着いたこんたは はーはー息を弾ませて

「あ~怖かった! 怪獣ブーブーって本当にいたんだ!もう絶体に道には出ないで、おうちで待っているよ。」と言いました
  

   ★
キツネの真後ろでクラクションを鳴らした時の驚きようはすごかったです。一瞬飛び上がった後、右へ行ったり左へ行ったり、その後ピュ~ンと草むらに逃げ込みました。これは本当です。

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